「卯崎さんが人殺しってどういう意味?」

「言葉通りの意味だよ。

 しかも、あいつは自分が人殺しだと気づいていない。

 偉そうに説教までしていきやがった」

「なにそれ。

 事故でもして、気づいてないとか?」

 そんなんじゃねえよ、と真人は不機嫌に言ったあとで、

「今日はもうこの話はやめよう」
と言い出した。

 いや、もともとあんたが夕べ、振った話だ、と思ったが、真人は、

「それより問題なのは、今日は月曜日だってことだ」
とフライ返しを手に、手際良くオムレツをひっくり返しながら言った。

 ……せいぜい、目玉焼きだろうと思ってたのに。

 そういや、いつかバーベキューのときも何か手早く作ってたな。

 見てなかったけど。

「月曜日?
 あっ、遅刻するっ」
と莉王は時計を見た。

「時間ギリギリだなあ。

 まずいな。
 俺、スーツ持ってねえよ」