「親父ー!友達連れてきたー!」


和也は店の奥に向かってそう叫んだ。
すると、店の奥のほうから男の人がぬっと顔を出した。


「ほら、いつも話してる薫と笠原。」


和也がそう言って由佳と薫を指差すと、一見怖そうな和也の父親の顔がくしゃっと緩んだ。


「初めまして。いつも話聞かせてもらってるよ。和也と仲良くしてくれてるみたいで、ありがとうね。」


和也の父は由佳と薫に向かって微笑みながらそう言った。

見た目とは違い、とても優しそうな人だった。


「親父!こいつらに自慢の料理食わせてやってよ!2人共、親父の作った料理食ってみたいって!」


和也がそう言うと、和也の父は「おう、任せろ!」と言って親指を天井に向けた。


「なんか、いい親子だね…」


由佳は薫に向かって呟いた。


「あぁ、そうだな。」


薫もフッと笑って答えた。