「ところで、奈津子は誰にあげるのさー?」


華代が奈津子に尋ねると、奈津子は苦笑いしながら答える。


「私は今年は完全に義理だけ。和也と薫かな。」


由佳はそれを聞いて、これほどまでにはっきりと義理だと断言される和也に少し同情した。

そして奈津子は「そう言う華代はどうなの?」と聞き返す。

すると華代は照れ臭そうに笑うと、口を開いた。

「しっかり本命チョコ渡すよ!」


その言葉に、奈津子が驚いたように言う。


「えっ、私まだ何も聞いてないよ?」

「うん、まだ皆には秘密!」


すると奈津子は「何それ気になる〜。」と不満げに言う。

由佳はそんな2人の様子を見て、2人とも女の子らしいなぁとしみじみ思うのだった。