―――…。


由佳が目を覚ますと、そこには見慣れない天井があった。

天井には可愛らしいキャラクターがたくさん描かれている。


「目、覚ましたか。」


そう言う声がして由佳が隣を見ると、薫が椅子に座って由佳のほうを見ていた。


「私……」

「倒れたんだよ。ここ、パーク内の医務室。」

「……。」

「ちゃんとドクターが居て、診てもらったけどどこも異状なし。ただの疲労だとさ。」

「……。」

「何で泣いてんだよ。」


黙ったまま涙をボロボロと流す由佳を見て、薫はそう言った。


「ごめん…せっかく来たのに台無しにして……」

「んなこと気にすんなよ。何とも無くて良かったよ。」

「ごめん……ごめん……」

「だから謝んなって。俺気にしてないから。」


薫はそう言うと、「体調落ち着いたら帰んぞ。」と由佳の頭を優しく撫でた。