由佳はその様子を見て、とても心が痛んだ。

薫が告白されたことに嫉妬したというよりも、あの女の子の姿が自分と重なったのだ。


あの子の目は本気だった。

もちろん、薫が由佳と付き合っているという噂は、あの子の耳にも1度ぐらいは入っていたに違いない。
それでも勇気を振り絞って想いを伝えたのだ。

それも、入学した時からずっと好きだと言っていた。

由佳よりもずっと前からだ。


「あの子の好きという気持ちと、私の好きという気持ち、一体何が違うんだろう…」


由佳は遠い目をしながら呟いた。


「それどころか、どんなに絶望的な状況でも勇気を出して好きだって伝えられるあの子のほうが、私より勝ってるんじゃないかな…」


そう思った時、由佳の頭に色んな考えが巡った。