華代に痛いところを突かれ、由佳は顔を曇らせた。

するとそれを見た奈津子が口を開く。


「由佳、だからこそバレンタインが勝負なんだって!」


すると華代も奈津子の言葉に頷きながら言う。


「そうそう!もう1度気持ちを確認し合うためにも、絶対渡すべきだよ!」

「それでたまには薫に好きだって伝えてみな?」

「……うん。」


2人の言葉に、由佳は小さく呟いた。


だがそうは言ってみたものの、正直由佳はあまり乗り気ではなかった。

確かに昔よりは感情豊かになった由佳だったが、普通の人に比べたらまだ感情を口にすることが苦手だった。

あの告白の時は何かが吹っ切れたおかげでどうにかなったが、今回も同じようにとはなかなか行かなさそうだ。


由佳はチョコレートを溶かしながら、はぁーと大きなため息をついた。