ようやく落ち着いてきた蓮は、笑顔でそろそろ行こっか?なんて言ってきた。



「もういいです!!1人で行ける……」



1人で行けるからと言おうとして気付いた。




……出口がどこかわからない。





もうすぐゴールだなんて思っていたあたしの気持ちも虚しく、まだまだだったことに気付いた。




蓮は戸惑っているあたしの顔を覗き込んで言った。



「あれ~?1人で行けるんだ?んじゃあ俺先に行くけどー…」


ニヤッとにやけて歩いていく蓮を見て、さっきまで消えていた恐怖が、急に復活。



「ま、まままままってよっ!!!」


あたしがそう言うと、こっちを振り向いてよろしいと言ってきた。

もちろん笑顔で。