な…生意気だったかな…。
生意気だったよね…。


あ゛ー…。余計なこと言っちゃったよね…。




その瞬間、急に愛美さんが立った。



「あ、愛美さん!ごめんね…。あたし…」

「ううん、葵ちゃんありがとう。あたし全然考えてなかった…」



そう言って携帯を取り出すと、廊下に出ていった。



あたしと蓮はこそっと覗いた。

本当はこんな事しちゃ駄目だけどね…。








「もしもし。父さん?」



実家にかけてるんだ…。


「うん。うん。ごめんなさい。明日また家に帰ります」



あたしは不安になった。
愛美さんが実家に帰っちゃったらどうしよう…。


「うん。あたしこの家が好きです。日向さんの家族が大好き。だからここを離れたくない」



愛美さん………。



「うん。あ、ちょっとまって。今まで苦労かけてごめんなさい。まだまだ子供だけど…、迷惑かけちゃうとおもうけど…、それでもなるべく迷惑かけないようにするから。うん。ありがとう」




そう言って愛美さんは静かに電話を切った。