そのままぎゅっと右手を繋がれる。


しかも自然と握り直すかのように、指を絡ませて…

いわゆる恋人繋ぎってやつ?



わぁ…なんか……//



あんまり男子と手を繋いだりしたことないあたしは、もうそれだけですごくドキドキしてしまった。



アユの手…大きい……


骨っぽくて男の子の手って感じがする…。



するとアユが前を向いたままボソッと呟いた。



「つーか浴衣…可愛いじゃん…」


「えっ?」



か…可愛いって言った?今…



「…そーかな?//

あ、これお母さんに着付けてもらったんだけど、髪は自分でやったんだよ。

そしたらけっこう時間かかって…」


「……うん。似合ってる…」



……どき。



急に振り返ってそう口にしたアユの顔は少し赤くて



「…あ…ありがと…///」



そんなふうに言ってもらえると、この動きづらい浴衣をわざわざ着てきてよかったなぁって思う。



アユって口悪いわりに意外と、嬉しいことをたくさん言ってくれたりするんだ…。


それにこんなドキドキするなんて。


やっぱり最近のあたし、ちょっと変かも……