駅には人がたくさんいて、誰がどこにいるかわからないくらいざわざわしてた。



「うわっ、スゲーなぁ人…

いつもはまったく栄えてねーのに」


「ほんとだね。大丈夫?彼女ナンパされてんじゃないの?」


「うーんどうだろ。でも俺より強いからなぁアイツ」


「…ん?」



するとふと目をやった先に、コンビニの端っこでスマホ持ってイヤホン付けてるイケメンを発見。


危うく私服だから見逃すとこだった。


これがまたオシャレだし…


でも間違いない。



「…アユ!!」



むしろあなたこそ逆ナンされるんじゃないかと思うくらい、大勢の中でもひときわ目立ってる彼。


あたしは小走りで駆け寄った。



「ごめんね〜!お待たせ!!」



なんだかちょっといつもと違うからドキドキしちゃうけど。



するとアユはイヤホンを耳から外して…



「………」



なんかこっちをじっと見てる。


しかも無言。…なんで!?



そしたら背後から思いきり叫ぶ声がした。



「…ッうぇぇっ!?マジ!?

この人が姉ちゃんの彼氏!?」