「香織さんのことが、、好きなんだね。」
自分で言って涙が出る。
声に出すと、すごく現実味が湧いてくる。
愁くんは、、
わざわざあたしに、さよならを言いに来たの?
「ばか。最後まで聞けよ。」
愁くんは、呆れたように、でも優しく笑う。
「俺も最初はそう思った。香織に惹かれてるのは、これは、恋愛感情だって思った。」
恋愛感情、、
愁くんの言葉が、グサグサと胸に突き刺さる。
「でも、違った。」
「、、え?」
違った、、?
それって、、どういうこと、、?
「香織と居て楽しかったのは、つまらない入院生活の中で、年も近くて気が合うことも多くて、話が弾んで刺激になったから。そこに恋愛感情はなかった。だって、ドアが開いたとき、目が覚めたとき、そこに香織がいてほしいなんて、一度も思ったことないんだ。」
そんな、、
じゃあ、、もしかして、、
ほんとに、、?
「俺は、ゆらが好きだよ。やっと気づいたんだ。俺が好きなのは、ゆらだって。」
涙が止まらない。
次から次に溢れてくる。