愁くんが、ゆっくりとあたしを離す。



愁くんの顔を見る。



いつぶりだろう、、


こんなに近くで愁くんの顔を見たのは。





あたしは、まだ信じられなくて、、



半信半疑で、自分の頬を少しつねってみた。




「痛い、、」


「ふははっ!何してんの?」



、、痛かった。


じゃあこれは夢じゃないの?



目の前で愁くんが笑ってる。


これは夢じゃないんだよね、、?





「夢かと思って、、」


「なんだそれ、ははっ!やっぱ面白いな〜、ゆらは。」




愁くんの笑った顔、、


やっぱりかわいい。



いつもはかっこいいんだけど、くしゃくしゃに笑うと、目尻が下がって、目が細くなって、頬がキュッと上がって、子どもみたいな顔になる。



そんなかわいい愁くんの顔が、急に真剣な表情へと変わった。





「ゆら、、どうして会いに来なかった?あの日、戻ったらゆらがいなくなってて、それ以来、会いに来てくれなくなった。なんでだ?」


「それは、、」



あたしは、どう言って誤魔化そうか、必死に頭を働かせる。


でも、良い言い訳が思いつかない。



愁くんが好きだから、、


愁くんを忘れるため、、


なんて言えるわけないし。



どうしよう、、、