ゆらも香織も、まださよならできない、、



ゆらは、そんな俺に愛想つかしたのかな。





あの日、香織に花束を渡し、連絡先を聞いて病室に戻ると、ゆらだけがいなくなっていた。



海斗が、急用ができたらしいと言っていた。



そのときは、そっかって、あんまり気にとめていなかったんだ。




でも、次の日も、その次の日も、、




ゆらは来なかった。




毎日かかさず病室に会いに来てくれてたのに、



何日待っても、ゆらは来なかった。






「なあ、海斗。お前本当は知ってるんだろ?ゆらに何かあったのか?」


「知らねーって。」



パラパラと雑誌をめくりながら、海斗はぶっきらぼうに言う。




明日は俺の退院の日。



ゆらがいなくなってたあの日から、1週間。



海斗にゆらのことを聞いても、海斗は知らないの一点張り。




「知らないわけないだろ。優華ちゃんの友達なんだから。」



そう。


海斗の彼女の優華ちゃんは、ゆらの友達。



だから、何も知らないなんて、絶対ありえない。





「なんで隠すんだよ。もう1週間だぞ?なんかあったのか心配するだろ。」


「1週間ゆらちゃんが来ないのが、そんなにおかしいことか?別にゆらちゃんはお前の彼女でもないんだろ?毎日会いに来る方が、ちょっと普通じゃないんじゃねーの?」



トゲのある海斗の口調。



でも、海斗の言う通りだよな。