「ゆら、ちょっとそれ取って。」
「ん?これ?」
俺は、いつの間にか自然と、ゆらって呼び捨てにするようになった。
「あ、愁くんこれ見て!」
「なに?」
いつの間にか、ゆらは俺を愁くんと呼び、敬語を使わなくなっていた。
それがなぜか心地よくて、、
ゆらがいるだけで、本当に穏やかな気持ちになれるんだ。
不思議なんだよな、、。
ゆら、、お前は一体何者なんだ?
それと並行して、俺は毎晩のように夢を見た。
いろんな夢を見たんだ。
俺の部屋らしきとこで、誰かが料理を作ってて、その子を俺が後ろから抱きしめる。
誰かと向かい合わせに座り、手料理を食いながら、その子にうまいうまいって言ってる。
誰かがサンタの格好して、俺にプレゼントをくれる。
誰かと紅葉を見に行き、着物をきて、手をつないで並んで歩く。
誰かが、風邪を引いた俺の看病をしてくれる。
誰かと初詣に行き、一緒にカウントダウンをして、その子が絵馬を書いている。
毎日毎日、違う夢を見るんだ。
でも、夢に出てくるその子は、毎日同じ子のようだった。
でも、その子の顔は絶対に見えなくて、、
君は、、一体誰なんだ、、?
夢から目覚めると、俺は必ずいつも泣いていた。
悲しくて、でもなんだか暖かくて、、
そんな涙だった。