俺は、はっきり聞いてみることにした。
ゆらちゃんと俺が、付き合っていたのかどうか。
でも、ゆらちゃんは、俺が聞きかけたのをさえぎって、ただの知り合いですと言った。
そんなはずはない、そう言ったけど、、
「じゃあ、全部思い出したら、記憶が戻ったら、おいしいものでも、食べに連れてってください。」
そんなことを言う、ゆらちゃん。
俺はたまらず吹き出した。
「ははっ、ゆらちゃんって、面白い子だね。」
素直にそう思った。
なんか面白いし、なんか可愛らしい、いままで俺が付き合ったり遊んだりした女とは違う、新鮮な感じがした。
それから、毎日ゆらちゃんが病室に来た。
特別何をするわけでもなく、果物などの差し入れを持ってきてくれたり、花を持ってきて飾ってくれたり、、
毎日いろんな話をした。
最初は、やっぱ彼女だったのかなって、それが気になってはいたけど、、
ゆらちゃんは、そんなこと感じさせないように、普通に明るく接してくれて、、
いつしか俺も、あんまりそれを気にすることなく、ただ普通に、ごく自然に、仲良くなっていった。
ゆらちゃんがいると、なんだかホッとする。
暖かい気持ちになって、自然と笑えるんだよな、俺。
それがゆらちゃんの持つ力なのか、やっぱり彼女だったからなのか、それはまだわからなかった。