「そっか、頑張ったな。美奈ちゃんも、赤ちゃんも。ゆらと優華ちゃんも、お疲れさま。」



愁くんが、そう言ってあたしの頭をなでる。




クリスマスイブ、夕方に愁くんが迎えに来てくれて、愁くんが予約してくれていた、ホテルのフレンチレストランでディナーをしていた。






出産が終わって、病室に戻った美奈といたんだけど、


「だめだめ!2人とも早く帰って休んで!クリスマスは、ちゃんと彼氏とデートしなきゃ!」


美奈がそう言って、なかなか帰らないあたしと優華を無理矢理帰した。




「あたしと赤ちゃんには、いつだって会えるんだし。特別な日は、大切な人と過ごして!」


って。



だから、あたしと優華は、昨日買ったばかりだったベビーグッズを渡して、渋々帰ることにした。






きれいな夜景を見ながら、最高においしいフレンチを、愁くんと食べる。



すごく幸せなんだけど、でもやっぱりどこかで、美奈と赤ちゃんのことが頭から離れない。


赤ちゃんとは産まれてすぐに、少し顔を見せてもらっただけだし、、


美奈も出産で疲れてたから、あんまりゆっくり話せてなかったし、、






「気になるんだろ?美奈ちゃんが。」



メインディッシュのお肉を、器用にナイフで切りながら愁くんが聞いた。



「えっ?」


「顔見てればわかるよ。これ食べたら、美奈ちゃんに会いに行く?」


「でも、いいの?」