あたしたちは病院に着き、ナースステーションで美奈の居場所を教えてもらった。
「美奈!!」
「ゆら、、優華、、」
痛みをこらえる、苦しそうな美奈の声。
額には汗がにじんでいた。
あたしたちから見れば、もう十分に苦しそうに見えるけど、まだまだこれから陣痛は強くなるらしく、赤ちゃんが降りてくるのに時間がかかるみたい。
美奈は、分娩室ではなく、普通の病室で痛みに耐えていた。
美奈のご両親に挨拶し、美奈にかけよる。
美奈の手を握ると、あたしたちとは比べものにならないほど、熱くて汗ばんでいた。
「もぉ〜、、ゆらも優華も、泣きそうな顔して〜、、まだまだこれからだよ、、」
「うん、、そうだね。」
「美奈、あたしとゆらがずっとついてるから。」
「ありがと、、頑張る、、から、、」
眉間にしわをよせ、途絶え途絶えに話す美奈が、少しだけ笑顔になる。
美奈は、あたしと優華よりも、落ち着いているように見えた。
これが、お母さんになるってことなのかな。