「ふぅ〜。おいしかった〜。」
「そろそろ行こっか。」
「うん!」
伝票をさっと持ってレジに向かう愁くん。
この、当たり前のようにお会計を済ませてくれる感じもかっこいいんだよね。
あたしも愁くんの後ろについてレジに行くと、あの素敵なおばさんがレジをしてくれてた。
「着物でデート?素敵ね〜!」
って言ってくれた。
「彼女が着物で京都観光したいって言うもんで。」
愁くんが少し照れくさそうに答える。
「まあ、いまどき珍しいいい子ね〜!しかも美男美女!お似合いだわ〜!」
そんなに褒められると、くすぐったい感じがする。
愁くんがかっこいいって言われるのは慣れてるし、あたしもそうだと思うけど、
自分が褒められるのには慣れてないし、お似合いだって言ってもらえて、お世辞でも嬉しかった。
「たくさん思い出作っていってね〜!」
そう言って見送ってくれる店員さんに、ごちそうさまでしたって言って店を出た。
歩き出すと、また自然と手をつなぐ愁くん。
いつもは、こうして愁くんと外を歩いてるとき、、
こんなに素敵な人の隣にいていいのかな、
あたし不釣り合いじゃないかな、
なんて考えたりしちゃうんだけど、、
さっき店員さんがお似合いだって言ってくれて、今日はなんだか自信を持って愁くんの隣を歩ける気がした。