店員さんは、少々お待ちくださいね〜って言って、厨房の方へ向かっていく。
「愁くん!なんでわかったの?」
そう。
あたしは、山かけ蕎麦と海老天蕎麦のどっちかでずっと迷ってた。
「ゆらの考えてることくらい、すぐわかるよ。」
そう言って微笑む愁くん。
あたしはそんなことでも、いちいち感動しちゃうんだ。
以心伝心?
運命なのかな?って。
しばらくして、美味しそうなお蕎麦が運ばれてきた。
「ん〜!おいしい〜!」
お腹が空いてたのもあるかもしれないけど、ここのお蕎麦は本当においしかった。
愁くんも、
「ゆらの嗅覚に間違いなかったな。」
なんて言いながら、おいしそうに食べてた。
「ん。交換。」
そう言って、自分の食べてたのとあたしの食べてたのを、さっと置き換える愁くん。
「両方食べたかったんだろ?だから交換。」
優しく微笑んでくれる愁くん。
「ありがと〜!」
もう、本当に優しいよ愁くん。
そのさりげない感じが、さらにあたしの胸をドキドキさせる。