あたしたちは別々に着物を着つけてもらう。
あたしはさらに、簡単に髪の毛をアップにしてもらって、着物に合わせて白いお花のかんざしを刺してもらった。
「かわいい〜!ありがとうございます!」
「いえいえ。さあ、彼氏さんがお待ちですよ〜。」
しきりのカーテンを開けて外に出ると、愁くんがイスに座って待っていた。
「愁くんお待たせ!うわぁ〜!やっぱり愁くんその着物似合うね!」
あたしの選んだ着物は、本当に愁くんにぴったりで、愁くんに着てもらえて嬉しそう。
ん、、?
愁くんが目を合わせたまま固まっている。
「愁くん?」
あたしが呼びかけると、愁くんは少しうつむいて、
「似合ってる。」
って言ってくれた。
「あらあら。初々しくてかわいいこと。」
店の人がそう言って微笑んでくれた。
あたしたちは店員さんに見送られ、京都の街に歩き出した。
「えーっと、最初は清水寺だよね!バス停どこかな〜?」
「ゆら。」
愁くんが、つないでいる手をぐっと引っ張って一緒に立ち止まる。