美奈は何度もあたしたちに連絡しようとしたけど、自分の中でも整理がつかなくて、ずっと言えずにいたんだって。
「2人に話せてホッとしたし、自分の中で1%くらいあった悩みが消えた。決心ついた。ありがとう!」
そう言って笑う美奈は、いつもの天然でおちゃめな美奈じゃない。
もう、お母さんの顔をしてる。
そう感じた。
「だからね、あたし、大学辞める。とりあえずいまはつわりもだいぶ楽になってきてるから、できる範囲で働いて、少しでもお金貯めたいんだ〜。」
「そっか。美奈の決めたことに反対はしないよ。でも、今度からはちゃんとあたしたちに話すこと!絶対無理しないこと!」
「うん!もちろんだよ〜!」
優華と美奈の会話を聞きながら、いつしか涙は止まっていた。
あたしたちはしばらく赤ちゃんの話をして、優華と一緒に美奈の家をあとにした。
「美奈、強いね。もう、あたしたちの知ってる美奈じゃない。あたしたちの先を歩いてる。」
優華の言葉にあたしはうなづく。
美奈は本当に強い。
もしあたしが美奈の立場だったらどうしてるんだろう?
そんなことを考えながら、優華とゆっくり歩いた。