「大丈夫です。
なんてことないです。
自分でしたことです。」
彼女は、そう言ったが、
足袋を脱いだ足は、赤く腫れていた。
「あんなこと、
押し売りのサラリーマンが
することだよ。
革靴でもなし、
こんな布切れ一枚でやったら、
そりゃぁ痛いよ。」
僕は、
浴室にあった洗面器に水と氷を入れて、
タオルを絞り、
オットマンに乗せた彼女の足に当てた。
あのあと、慌てて扉を開け、
彼女を中に入れたのだ。
「理太さまの前で、
素足をさらすなんて…」と
嫌がる彼女を無理やり
ソファに座らせ、
足を引っ張り出し、
オットマンに乗せたのだった。
今、僕は多少酔っ払っているから、
普段より気が大きくなっていた。