だって、
あんまりにも
自然だったから。
彼女は前日から特に変わった様子はなかったし、
過剰な反応も言及もしなかった。
まるで、眼鏡をかけてない僕を
ずっと知っているような…。
驚きなのは、
僕が全く気をてらわなかったことだ。
失神するほどの驚きだったから、
それまではただの動揺だ。
問題は目が覚めた後。
あの状況なら、
絶対気づいてる。
すぐに眼鏡を探した筈だ。
なのに、
彼女には、何故かいつも
少し心を許してしまうのだ。
いつもは口にしない愚痴をこぼしたり、
絶対見せない素顔を見せたり。
今までの僕ではありえない。
何故、彼女もあそこまで、
自然にこの顔を受け入れたのか、
全く理由がわからない。
僕は、部屋の奥に進み、
ソファに寝転んだ。