…。


…。


もしも、
ひとつだけ願いを叶えられるなら、
過去の自分に眼鏡をかけるよう、
電話したい。


「何時の僕に電話をしたらいい?」

僕はスマホを取り出し、
カヨさんに聞いた。

ちなみにカヨさんとお祖父様には、
眼鏡は必要ない。

「朝ですね。8時前ですかね。」

とカヨさんは、
引き続き、めんどくさそうに答えた。


…。
朝から面食らいしすぎて、
360度回ってすっかり忘れてしまっていたんだ。


「ごめん、カヨさん。
朝には戻るから。」

僕は、そう言って、
家を出た。