…。

や、もう、
一回、一回、
マジで突っ込むの
辞めたいのだが、
これだけは、
突っ込んどこう。


「本当に輿(こし)に
乗ってくるやつがいるかあああああ
!!!!」

僕は、
庭で、生まれてから一番大きな声で
叫んだ。


霧は晴れて
くっきりと
男たちが担いだ輿が見えた。


な、なんなんだよ!
よく見たら、
後ろにも列が続いている。

た、たんす?
長持ち?
鏡台?

何、あの番傘。
つぅか、
どんだけ人の手使ってんだ。


もう、僕は、
見つめることしかできず、
呆然とした。



そう、
これは、紛れもない、
花嫁行列だ。

輿ごと屋敷に入っていくのを見て、
「ジーザス!」
と言うしかなかった。