「よく考えてみたら、
僕らがカップルに見えるわけないですよね。」

僕は、水族館の水槽に映る
自分たちを見て言った。


眼鏡のダサ男に
美人ギャル。


「ぶふっ。ほんとだ。
ぜんっぜん見えないね。
年齢とかも。

おっかしー!!うける!!」

詩子さんも笑った。


僕らは、
町の人がするように、
ただ町を歩いたり、
アイスクリームを食べたり、
買い物をして過ごした。


デートというものをしてみたんだ。



「だけど、楽しかったです。
ありがとうございました。」

僕は、手を出した。


「うん。私も。
りっくんがいてくれてよかった。」

僕らは、手を握り合った。