シュウくんが 家を使っていいと言ったのは、 詩子さんを見てくれって 意味なんだと ようやくわかった。 詩子さんの気持ちに気がついて、 自分がこれ以上そばにいたら 駄目だから、と そういうことだったんだ。 「私が出てくまで、 彼は帰らないよ。」 と詩子さんは言った。 僕らが振り回していい人じゃなかった。 「もう、僕の恋人のフリはいいですよ。」 僕は、そう言って、 「行きましょう!」 と彼女の手を取った。