「ヒナは、何かやりたい楽器あるの?」



「楽器なんてリコーダーくらいしか吹けなくて… まだわからないや。リコは?」





「私はね、オーボエを吹きたいんだ!」





「オーボエ?」



初めて聞く名前だった。

ちょっとだけ どんな楽器だろう…
と考えて、すぐやめた。




「オーボエって楽器、私は知らないや。どんな楽器なの?」




「私のお姉さんがやっていた楽器なんだ。凄く特徴的な音色で、とりこになっちゃうよ。」




「へぇ、そうなんだ。」


そうこうしている間に、合奏が終わったらしく、静かになった。