あ、もしかして。
袋の中身は想像通り、ハーゲンダッツが一つ入っていた。
「本当に買ってきてくれたんだ!」
「まぁな!金なかったから半分こしよ」
「えぇ~」
「誰のお金で買ったと思ってんの」
「はいはい、春希様でございますよ」
フタを開けてキンキンに冷えているアイスをスプーンですくう。
それを自分の口の中に運んで、もう一つのスプーンを春希の口に運ぶ。
「ん~うま!運動した後ってのは最高だね~」
「ははっ、千依ばばぁみてぇ」
「うるっさいな」
「ぉあっ、冷たすぎて歯にしみる~」
「自分こそおじいちゃんじゃん」
二人で笑いあいながら、ハーゲンダッツを食べた。
すっかり辺りは暗くなっている。
もうそろそろ帰らなきゃ。
「ごちそうさま!私もう帰るね」
「ん、送る」
「反対方向だから悪いしいいよ」
「別にいーって」
「・・・ありがと」