「あぁ疲れた~」
「お前あそこもっと回りこめるだろ」
「そうかも。春希は隙間が多すぎね」
「お前くらいのチビしか抜けれねぇから大丈夫」
「失礼な!」
アドバイスし合いながら、私達はベンチに腰掛ける。
まだ5月だというのに蒸し暑い。
私は汗を拭きながら、手をパタパタさせて扇ぐ。
春希も服で自分の汗を拭き、ベンチから立ち上がった。
「ちょっと待ってて」
「え?うん」
どうしたんだろうと思いながら、春希の後姿を見つめる。
・・・春希の背中、中学のときよりもごつくなったなぁ。
前はもっと細かったし、筋肉もそんなになかったのに。
いつの間にか春希は私よりずっと大人になったみたいだ。
私だってちょっとは成長したんだけどな。
そんなことを思っていると、すぐに春希が戻ってきた。
手にはコンビニの袋がある。