そんな他愛のない話をしながら一緒に並んで歩く。
途中で公園があったので、なんとなく寄っていくことにした。
「あ、バスケットゴールあんじゃん!」
春希が嬉しそうに声を上げる。
ふふ、本当にバスケ好きだよね。
まぁ私も人のこと言えないくらい大好きだけどさ。
「千依!ボールもあった!」
「ふはっ、喜びすぎ!」
ボールを嬉しそうに指さす春希が可愛くて、つい吹き出した。
いつもなら何かしら言い返してくるけど、今はそんな余裕もないほど嬉しいらしい。
「なぁなぁ千依~!」
「分かってるよ、1on1したいんでしょ?」
「さっすが~!ちょっとだけやろうぜ!」
「はいはい」
私達はそれから時間も忘れて、夢中で走り回った。
春希は背が高いから、なかなかディフェンスをかわせない。
けれど私は逆に背が小さいのを活かし、ディフェンスの僅かな隙間を抜けてシュートする。
私が点を決めると今度は春希があっという間に点を決める。
日が暮れても、結局勝敗は決まらなかった。