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あっという間に放課後。
部室はわいわいと賑やかだった。
「千依が次期キャプテンに任命されました~!」
「まぁ千依しかいないでしょ!」
「ほんとほんと!頑張れよ~!」
皆、私がキャプテンを任されることは当然だと思っていたらしい。
「ちょ、待ってよ。まだ決まったわけじゃないし・・・」
「いやいや決まりだよ~!千依はなりたくないの?」
「なりたくないわけじゃないけど、私リーダーシップとかないし」
私が言った途端、皆が顔を見合わせ一斉に笑い出した。
「あっはははさすが千依!鈍感!」
「なんでそーなるのよー」
「確かに千依は言葉で指示とかしないけど、行動で指示してるもん」
「え?」
「ああしろこうしろって言うんじゃなくて、バスケしてる最中に無意識に手上げてパス呼んだりとか、目であっちが空いてるって教えたりとか」
「え?!私そんなのしてる?!」
「「「してる」」」
皆笑いながら口を揃えてそう言った。
私無意識のうちにそんなことしてたんだ・・・。
知らなかった・・・。