私は恥ずかしい格好のままそっと周りを見回した。

まだプラネタリウムは始まっていないものの室内は既に暗くなっていて少しずつ目が馴れてくると周りのカップルは私達と同じような格好をしていた。

「ほらね。

別に恥ずかしい格好じゃないでしょ。」

いやいや、それはこの方達は付き合ってる訳でそう言う格好してもいいのかもしれないけど、私達はただのクラスメイトな訳だしそれにこれは罰ゲームな訳で。今の私は好きな人にこんな事してもらって嬉しいはずなのになんだかちょっと落ち込んでくる。

「だ、だめですよ。

こういうことは好きな人としてください。」


「それならこのままでいいと思うよ。」

「何を言ってるんですか、私が言ってるのは友達としての好きではなくて彼女さんとって意味です。」

そう、私ではない佐藤くんにお似合いの素敵な彼女。


ブーー


「ほらっ、プラネタリウム始まるみたいだよ。」


いやいや、私の話し聞いてますか?

仕方なく無言で佐藤くんから降りようとすると私の背中に自分の腕を回し逃げられないようにしてしまった。

そして私の耳元で

「罰ゲーム。」

なんてそんな艶のある声で言われたら全身の力が抜けて逃げる気持ちも失せてしまった。