約束通り私がお金を払い佐藤くんと席に着く。

何にも考えずにプラネタリウムっていっちゃったけど周りを見たら何かやけにカップルだらけじゃない?


そんな私の気持ちに気づいたのか佐藤くんは、

「何か今日カップルデーみたいだよ。

さっき早乙女さんがチケット買ってる時ポスターにそう書いてあったから。」

へっ?

いつのまにそんな制度が導入されてたの?
それともプラネタリウムってそう言う所なの?

ちょっちょっと待って、それってこれじゃあまるで私がそのカップルデーとか言うのを狙ったみたいじゃない?

「あのっ、私本当にごめんなさい。いくら知らなかったこととは言え佐藤くんにこんな嫌な思いさせちゃって。

あっ、もし嫌ならすぐでましょうか?いや、出ましょう。」

私が慌てて席を立とうとすると

ガシッ

腕を引っ張られその弾みで佐藤くんの膝の上に乗ってしまった。


「きゃっ。

ごめんなさい。すぐ退きますから。」

さらに慌てて佐藤くんの膝から降りようとすると


「早乙女さん、さっきっから敬語連発。もう数えられなくなっちゃったよ。これは罰ゲームね。」

なんて言いながら私の腕をさらに引っ張って抱き締めてきた。

えっえーーー!

これはいったいどういう事?

私が佐藤くんの胸に顔を!

やだ心臓の音が凄い。これじゃあ佐藤くんに聞こえちゃう。

「早乙女さん、凄い心臓の音だね。俺の胸にまで響いてるよ。」


「ご、ごめんなさい。

こんな事には馴れてないので、って言うかこんな格好恥ずかしいので降ろしてもらえないでしょうか?」

もー恥ずかしい。

私は心の底からお願いするように佐藤くんをじっと見つめた。

でも佐藤くんはあっさり

「やだよ。」


へっ?今なんて?


「だってこんなチャンス滅多にないだろうし、それにほらっ、周り見てごらん」


周り?