「神楽君は、いつもパンだね」

「はい。俺母親と二人暮らしで仕事忙しくてそんな余裕ないんで…だったら自分で作ればいいって話なんですけど俺料理苦手で」

そっか。母子家庭なんだ…初めて知った。

「よかったら私作ろうか?」

「え」

神楽君は、驚いてこっちを見た。

「でも迷惑じゃ」

「父と母のも私が作ってるから一人増えても大丈夫だよ」

「じゃお願いします。凄く嬉しいです。
学校に来る楽しみがまた一つ増えました」

「大袈裟だな」

私は、クスクス笑った。

「大袈裟じゃないですよ。マジ嬉しいです」

そんなに喜んでもらえると思わなかったけど明日から食べた頑張って作ろ。