「こら蒼」

その声と共にバチンと鈍い音が聞こえた。

「痛え」

神楽君は、痛そうに頭をおさえている。

「なにすんだよ。爽太」

「先輩困ってる」

この人のおかげで助かった。

神楽君は、痛そうだけど。

「初めまして。蒼のダチの早倉爽太です」

早倉君は、ペコっと頭を下げた。

「初めまして橘梨央です。よろしくね」

私も頭を下げた。

「知ってます。よく蒼から話聞いてます。
こいつ先輩のこと大好きですから」

「え」

私は、またその言葉で顔が真っ赤になった。