「今言ったこと本当だな⁈」

「……うん」

「よし…今日から美咲は俺のとこに来ること」

「…なんでそうなるのよ。私、まだ、大河を好きだって認めてないし、…少しは大河にに惹かれているけど…恋人でもないのに一緒に住むなんて無理」

「少しは⁈違うだろう…もう、俺しか考えられないくせに、意地はるなよ」

「意地なんてはってないわよ」

「なら、勝手にしろ…」

初めての言い合いに、わかってもらえない気持ちに悲しくて、大河に突き放されたようで涙が潤む。

泣いていることを知られたくないから、暗くなる夕空の下で顔を俯き髪で泣きそうな顔を隠した。

しばらくの沈黙

大河は何も言わず、私の手をとると引っ張るように歩き出した。

何も言ってくれない大河に腹をたて、握る手を振り払おうとするとぐっと手首をつかまえてくる。

それが心と連動して痛くて、ガマンしていた涙が頬を流れていく。

鼻をすすり、空いている手の甲で涙を拭う。

それでも、大河は手を離してくれず車まで来ると私を助手席に座らせ車を走らせた。

車中、私の鼻をすする音と車外の雑音しか聞こえない。

大河がどんな顔をしているのか怖くて見れない私は、ずっと下を向いて溢れる涙をぬぐっていた。

どうして、泣くほど悲しいのかわからんし、大河に嫌われたと思うと苦しくて胸が張り裂けそうなほどだった。

マンションの駐車場に車を停めると、やっと私を見てくれた。

でも、泣いてぐちゃぐちゃの顔なんて見られたくないから大河を見ないでいた。

はぁ〜と大きなため息をする大河

私の涙を指先で拭い

「きつく言い過ぎた…待ってるって言いながら焦ったんだよ。お前と一緒に目覚める朝が幸せ過ぎて。…もう、俺の中では1日も…待てない。だから、美咲、俺と一緒になる未来を考えてみてくれ」

「大河…私、自分の気持ちわかってるの。だけど、信じたいけど怖くて…踏み出せない。大河が好き…だけど、まだ、無理なの。お願い…嫌いにならないで」

私を抱きしめ背をさする大河

「嫌いになんてなるかよ。好きだ…もう…愛してるが強いけどな」

苦笑まぎれにつぶやく男に

「信じさせてよ」

「どうしたら信じる?」

切ない声で訪ねてくる。

「……大河は違うって思ってる…私を裏切らないで…」

「裏切らない。絶対、お前を悲しませることなんてしない。お前が踏み出せるように少しずつ一緒に過ごして行こう」