5年前――。
季節は梅雨。どこまでも広がる青い空を分厚そうな灰色の雲が覆っている。
今にも雨が降り出しそうな雰囲気だ。
そんな中、私は家までの道を歩いていた。
足どりが重い。
自然ともれるため息。
教師になるのが夢で志望していた大学にも入学して、いつも勉強ばかりしてる私を気を遣った友人が『合コン行こうよ!』と言い出した。
基本的にそういうことに向いてない自分は、案の定始まって1時間で耐えきれず、用事ができたと嘘をついて今に至るということだ。
せっかく誘ってくれたのに。
罪悪感はあるけど、私にああいう場は向いてない。
恋なんてもう何年もしてないし。