その後で夕はいつもの病室に移された。

私が目にしたものは、悪い夢であって欲しかった。

ピッ、ピッ、ピッ、ピッ…

絶え間なく鳴る、機械音。

夕の体に繋がれた、さまざまな管や機械。

口に付けられた、酸素マスク。

「嫌っ…夕…死んじゃうの?置いてかないで!また駅前のカフェ行こう!

ドロップ食べよう!一緒に…生きてよ‼︎」

ピクリと手が動いた。

「日向…」

力なく抱きしめられる。

「夕…っ」

「大丈夫だよ。泣かなくても。あたし、死なないから…」

「うん、約束だよ…」