「っ、夕…弘樹くん…」

握られた手に、力が込められる。

「日向。今は俺だけを見てろ。」

「…っ」

圭の言葉の意味が分からない。

「日向!!」

「っ、弘樹くん…!?」

「日向…」そう言って弘樹くんは私を抱き寄せた。

「中島、お前が日向に執着する意味はよく分かる。

お前、日向のことが好きなら、正々堂々と戦えよ」

「佐藤にそう言われちゃ、俺の勝ち目がねえな。

その勝負、乗ってやろうか?」

「逃げんなよ?」

「逃げる訳ねえだろ。俺が勝つんだから」

「いい度胸だ。」

ちょっ、意味分かんない…!!