◇◇◇◇
嫌…嫌…

私の頭の中で、圭の“あの言葉”がぐるぐると回る。

フラフラと歩いていると、誰かに肩を掴まれた。

「…日向?」

「弘樹くん…」

「日向、来い」

グイッと手を引かれ、連れて来られたのは、小さい公園だった。

弘樹くんは、私をベンチに座らせた。

「…なんかあったんだろ。話せるようになるまで、待ってるから。」

「…ん。」

「日向と俺、出会ってからまだ少しだけどさ。日向が思ってるより俺、日向のこと知ってんだ。

例えば、…1人で抱え込もうとするとか。ほら、今みたいに。」

「う、ん…」

制服のスカートに、雫が落ちていく。

「さっきだって、1人でなんとか消化しようって感じだったぞ?」

「…っ」

弘樹くんの言葉ひとつひとつが、とても染みる。

弘樹くんがゆっくりと、私の手を握る。