「お前、日向を傷付けておいて、しつこいんだよ…」

「日向…許してくれっ!俺はまだ…」

弘樹くんが圭の言葉を遮る。

「日向は俺の物なんだよ。俺は、日向を大切にできる。
日向を、守んだよっ‼︎お前みたいな奴からな!」

「日向…日向は、そいつのことが…?」

私は、今までよりも強く、顔を弘樹くんの胸に埋める。

「そっか…今までごめん。じゃあ……な。」

そう言って圭は背中を向け、倉庫から出て行った。

「…日向?」

何だか呼吸が苦しい。

体育祭の陽気な音楽が、余計に私を混乱させた。