「圭っ!美和ねぇ、数学の課題忘れて、今日居残りなんだぁ」












腕を絡ませて、頬を膨らませてみる美和。










「……そうか」










だめだ。










頭ではわかっているのに、体が動く。











俺の冷たい唇は、美和に重ねられる。










優しさが、愛しさに変わってしまう。











日向は、ひとりなのに………










だけど……










もう辛い場面を見たくない。









目を、逸らしたいんだ………。










俺は弱いから……。