「んーーっと…」

ガサゴソと手で、リレーバトンを探る。

今は倉庫で、道具の確認中。

ガタッ。

「弘樹くっ………⁉︎」

そこに立っていたのは、圭だった。

「ぃ、ぃゃ…」

「ごめんな、日向。そんなに怯えさせて…」

「もぅ、ぃぃ、から…帰って…?」

「ごめん俺…

ガタッ。

その時、大きな音がした。

「おい、日向に近付くなって、あんだけ言っただろ」

「弘樹くんっ‼︎」

「日向…」

弘樹くんは、優しい笑みを向けて、私を引き寄せた。

緊張の糸が解けて、涙が溢れる。

弘樹くんの胸に顔を埋める。