「ふう…」

やっと昼休みになり、お弁当を持ってC組へ向かう。

「け…」

『圭』と呼ぼうとしたけど、声が出なくなった。

圭が、女の子といる。

ふたりとも、とても楽しそうに笑っている。

「…あ。」

圭が私に気付いた。

「…日向?どうした?」

「お弁当。」

「え?」

「お弁当、一緒に食べようって、圭が言ったんじゃん‼︎」

「あーー…そうだったっけ、ごめん。俺忘れてて…」

「…もういい。」

私が駆け出すと、圭も走ってくる。

「待てよ日向!なんで怒ってんだよ⁉︎」

立ち止まって、キッと圭を睨む。

「…私は実行委員の仕事で疲れてたけど、圭とお弁当だって、楽しみにしてた。
なのに…それなのに圭は‼︎‼︎
女の子と楽しそうにして!頑張ってるこっちが馬鹿みたい‼︎」

「…だから、ごめんって」

「何も分かってないくせに!」

「分かってるよ‼︎」

校舎の中で、喧嘩を始めてしまった。

みんなの視線が、私と圭に集まる。