「嘘…」

「嘘だったら、いいのにね」

夕は悲しそうに微笑む。

「夕のバカ!なんでそんなこと言うの!?」

「運命って…変えられないでしょ?」

「それは……っ」

言葉を飲み込む。

悲しい未来を見据えた夕が、遠く思える。

こんなに近くにいるのに、遠い。

手を伸ばしても、届かない……。

寄せては返す、波のように。

近くなって、遠くなって……。

…その繰り返し。

運命は…変えられないの?