儀式は、無音の闇の中で始まった。
まず、中心に立つアキス王が、胸内から布に包まれた石を取り出し、素早く布を剥ぐと、それを両手で包み込んだ。
手の平ほどの石だ。それがただの石でないことは、そのエリアにいる誰もが分かっていた。
その昔、太陽神から授かったとされる藍色の石。その石は、直接王の手に触れると淡く光りはじめた。
それは、次第に目を覆ってしまうほどの強い輝きになり、再び淡い光に戻ったそれは、王の手の中で、新たな物へと姿を変じていた。
その光景を食い入るように見ていたユイは独りでに口走っていた。
「あれが、天恵のオカリナ?太陽をこの世界に呼ぶことができる、神の呼び笛」
アレキサンダーは静かにうなずく。
光るオカリナに呼応してか、アキス王の身体も淡い藍色に包まれた。6人の神官はその時を待っていたかのように、一斉に何かを唱えだした。それは恰も言葉のない歌のようであった。その場が徐々に強い力で満たされていく。
次の瞬間、頭上にかぶさっていた雲に巨大な穴が開き、雲上にあった星々の光が六芒星の陣の中に降りしきった。
いつの間にか、歌は止んでいた。
静かな時の中で、陣の中央、星々の光で輝く王は、ゆっくりと藍色のオカリナを口元に持っていった。
最初の一声。
細く、小さい。けれど、うるおいを持つその音は夜の空気をふるわせ、世界全土に響き渡り、人々に夜明けが近いことを告げた。
そして、第二声。
太陽の賛歌がはじまる。
まず、中心に立つアキス王が、胸内から布に包まれた石を取り出し、素早く布を剥ぐと、それを両手で包み込んだ。
手の平ほどの石だ。それがただの石でないことは、そのエリアにいる誰もが分かっていた。
その昔、太陽神から授かったとされる藍色の石。その石は、直接王の手に触れると淡く光りはじめた。
それは、次第に目を覆ってしまうほどの強い輝きになり、再び淡い光に戻ったそれは、王の手の中で、新たな物へと姿を変じていた。
その光景を食い入るように見ていたユイは独りでに口走っていた。
「あれが、天恵のオカリナ?太陽をこの世界に呼ぶことができる、神の呼び笛」
アレキサンダーは静かにうなずく。
光るオカリナに呼応してか、アキス王の身体も淡い藍色に包まれた。6人の神官はその時を待っていたかのように、一斉に何かを唱えだした。それは恰も言葉のない歌のようであった。その場が徐々に強い力で満たされていく。
次の瞬間、頭上にかぶさっていた雲に巨大な穴が開き、雲上にあった星々の光が六芒星の陣の中に降りしきった。
いつの間にか、歌は止んでいた。
静かな時の中で、陣の中央、星々の光で輝く王は、ゆっくりと藍色のオカリナを口元に持っていった。
最初の一声。
細く、小さい。けれど、うるおいを持つその音は夜の空気をふるわせ、世界全土に響き渡り、人々に夜明けが近いことを告げた。
そして、第二声。
太陽の賛歌がはじまる。