『まさしくサルマゴナ殿に聞いたとおりの人物だ。儀式の丘はこの道を東にずっと行ったところにある。丘は神聖不可侵のため、常なら国王と6人の神官以外が足を踏み入れることは決して許されないのだが、国王の命には代えられない。出現したモンスターは強靭な力を持っている。私なら戦わずして国王を助け出す道を探すがな』


「え?」

 兵士が口を閉じると同時に結衣が疑問の声を上げた。

「戦わない方法がもしかしてあるの?」

 結衣の隣でアレキサンダーがうなずく。

「本気で戦うつもりなら2人で来ない」

「そんなにモンスター強いの?」

「俺がこのミッションやったときは、もうかなり前のことだが30人集めてやっと倒せた」

「ひぇぇぇ」

 アレキサンダーは「こっち」と言いながら城の前を通って、東に続く道を歩き出した。

「あそこに小山になっている古墳が見えるだろ?」

 暗がりにポコポコと小山がいくつか点在している。

 そのうちの1つに2本のたいまつが並んで立っているのが見えた。

「あれ?」

「そう。あれが古墳の入り口。あそこから地下の道を通って儀式の丘に向かう」