「デート?!」
モカシンを履いた足裏に草の感触が伝わってくる。
「違った?」
アレキサンダーの黒髪が送風にサラサラと揺れている。
「えっ、うーん。前に大猿のコロナタをジャングルで倒したとき、アレキサンダーさんと一緒に救援に来てくれたあの攻撃魔道士の女の人と仲良さそうだったから」
「ああ、あいつはリアルの妹なんだ」
アレキサンダーが足を踏み出すたびに、束になった弓矢が、背負われた筒の中でカラカラ音を立てている。
ユイはなにげなくそれを見つめながら歩いていく。
「就職してから家族と離れて暮らしてたんだけど、電話で俺が『オートマトン』を始めたのを知った妹が、私もやってみたいって言ってきて」
「兄妹で仲いいんですね」
そう言いながらユイは、どんどん楽しい気持ちになっていった。
ニコニコしながら、脇を通りすぎていく1頭の羊の体に軽く触れてみる。
「ユイさんは?1人っ子?」
「兄が1人います」
羊は思ったほどふかふかしていなく、毛の中のほうには固い感触があった。
「聞いてもいいかな?」
アレキサンダーは遠くの風車を見ていた瞳をユイに向けた。
「なんですか?」
「ユイさんは学生?」
「はい、今4年です」
「22才?じゃあ、俺より3つ下か。」
徐々にはっきりと見えてきた風車はだいぶ風化が進んでいるようだった。
歩き続けると次々に崩れかけた風車の塔が見えた。
中には上半分が無いものもあり、真上から見ると小さなコロッセウムのような形をしている。
風化だけでは、こうはならないない。
今から、そう遠くない時代に起きたシャテラリア国と大陸諸国との間で起きた戦争の戦火が、ここまで届いたのだろうか。
モカシンを履いた足裏に草の感触が伝わってくる。
「違った?」
アレキサンダーの黒髪が送風にサラサラと揺れている。
「えっ、うーん。前に大猿のコロナタをジャングルで倒したとき、アレキサンダーさんと一緒に救援に来てくれたあの攻撃魔道士の女の人と仲良さそうだったから」
「ああ、あいつはリアルの妹なんだ」
アレキサンダーが足を踏み出すたびに、束になった弓矢が、背負われた筒の中でカラカラ音を立てている。
ユイはなにげなくそれを見つめながら歩いていく。
「就職してから家族と離れて暮らしてたんだけど、電話で俺が『オートマトン』を始めたのを知った妹が、私もやってみたいって言ってきて」
「兄妹で仲いいんですね」
そう言いながらユイは、どんどん楽しい気持ちになっていった。
ニコニコしながら、脇を通りすぎていく1頭の羊の体に軽く触れてみる。
「ユイさんは?1人っ子?」
「兄が1人います」
羊は思ったほどふかふかしていなく、毛の中のほうには固い感触があった。
「聞いてもいいかな?」
アレキサンダーは遠くの風車を見ていた瞳をユイに向けた。
「なんですか?」
「ユイさんは学生?」
「はい、今4年です」
「22才?じゃあ、俺より3つ下か。」
徐々にはっきりと見えてきた風車はだいぶ風化が進んでいるようだった。
歩き続けると次々に崩れかけた風車の塔が見えた。
中には上半分が無いものもあり、真上から見ると小さなコロッセウムのような形をしている。
風化だけでは、こうはならないない。
今から、そう遠くない時代に起きたシャテラリア国と大陸諸国との間で起きた戦争の戦火が、ここまで届いたのだろうか。