キャスケットはユイにコロナタの首飾りをかけてあげた。

「ありがとうございます」

 ユイは3人に深くお辞儀をした。

 キャスケットは2人のフレに向き直る。

「2人とも、わざわざ来てくれてありがとう。」

「また何かあったらいつでも呼んでくれ」

 狩人はそういうとユイを見下ろし、表情を明るくした。

「どこかで見たことあると思ったら、この間キャスケと船から出てきた子だな」

「ユイです、よろしくおねがいします」

「アレキサンダーだ、よろしく」

 ユイがおじぎをするとアレキサンダーはシャテラリア国の敬礼を返した。

「じゃあ、私たちは戻るわ。火山でレベル上げの途中だったから」

 攻撃魔道士の言葉にキャスケットは食らいつく。

「えっ、待って。もしかしてその火山ってあそこの『トルーワ火山』?」

「ええ。」

 キャスケットは、ぱっとユイを振り返った。

「ユイ、まだ時間ある?」

「うん、今日はいっぱい時間あけといたから」

 キャスケットは魔法使いの手を掴む。

「ワープで戻るのよね?よかったら私たちも連れてってくれない?ちょっと『トルーワ火山』に用があるのよ」

「お安い御用よ」

「まって!ワープするの??!」

 ユイの悲鳴のような声にキャスケットはにっこりと笑う。

「離れたらここにおいてけぼりになるわよ」

 ユイが慌てて3人の中に立つと、召喚したままのオートマトンもユイの足元へトコトコとやってきた。

「飛ぶわよ」

 攻撃魔道士がワープの魔法を唱え終えると、コロナタ森林に白い光の柱が四本、天上に向けて立ち昇った。